さくらのおと
読んだ。
佐倉綾音ファースト写真集『さくらのおと~佐倉綾音フォトブック~』
- 作者: 長野博文,桑島智輝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/01/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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佐倉さんは顔が好きだし、特にイベント終わりの言葉がユニークでたまに無性に聞きたくなるので、気が向いたらイベントに行ったりする。写真集はそういえば発売なのかとりあえず買っとくかという気持ちで買ったけどざっと読んだ感想がこれ。
さくらのおとよみました。一枚一枚めくるたびにドキドキしました。どの写真が一番好きかなんて、ちょっと決めれそうにありません。帯に「私の人生の大切なものは、全てこの本の中に」と書いてありましたが正にその通りだと思いました。買ってよかったです。
— まこち (@mako2270) 2018年1月27日
以下ネタバレ。
この写真集は春から冬にかけて、彼女の23歳の姿が収められている。一枚一枚ページをめくるたびにその背景と彼女の姿や表情に心を奪われてしまって、次は何が見えるんだろうってドキドキワクワクしてしまってた。
はじめは京都旅行。(彼女らしくない)ビタミンカラーに身をつつみ、京都に降り立つと、まずはじめに一面の桜景色の中に立つ彼女の姿。彼女が一番好きな景色の中にシンプルなワンピースで立つ姿がとにかく美しい。
着物。旅館に浴衣。寝顔。足湯。うなじ(についてる水滴)。京都散策。古風な街並みに映える赤のコート。普段使いのレンズのおっきな眼鏡。桜と着物。自転車に乗る。ポニーテール。裾を持ち上げる。
春が終わると彼女の胸くらいまであった髪がざっくりと顎くらいまでに切られる美容院での姿。落ちた髪。でも短くなっても分け目は変わらない。中性的な顔立ちだからかっこつけるとかっこいい顔してるなって思う。
Tシャツに短パン、彼女が一番自然体な服。少年っぽい。こんな感じの動く姿をもっと見てみたい。でもおっきなクマのぬいぐるみを抱きかかえてたりして、可愛い。
大胆に両肩が出た服。オフショルガール。短めの髪に光が当たった時の陰影っていいな。帽子。砂浜。表紙の服。薄い、肌色多め。高くて細いヒール。セクシーなようなかっこいいような。
100問100答(これはあとで書く)。相変わらず絵が上手い。
場面変わって旅行は終わり。おうちでの猫さんパジャマ。まるまる。寝転がる。やわらかく白い光の背景に白いパジャマと肌色が映える。くちびる指あて。ほっぺ指あて。でこ出し。歯磨き。でこ出しで頭の上でちょんって結ぶのいいよね。
私物の秋物コート。裾のお芝居ってなに。また眼鏡。眼鏡上げて眉間に手を当ててるの良い(伝われ)。収録現場。笑顔多い。犬。またでこ出し。ピン止め。
地元の公園。ダッフルコート。マフラー。ふわふわ耳当て。ブランコ。鉄棒。笑うと目を瞑って口が開いてる姿、好きかも。
あとは1万字のインタビューとか、矢吹さんとかが描いた春夏秋冬彼女の似顔絵とか、直筆メッセージとか。
声優さんの写真集ってたくさん持ってるけど、率直な感想として一番読んで良かったなと思った。
100問100答で気になったやつ。
Q「好きな天候は?」
"日差し"は苦手なのですが、"お日さま"はとても好きです。
Q「最近泣いたことは?」
家ではよく泣きます。糸が切れるとすぐ泣きます。
Q「女子として大切にしていることは?」
自分を女子とせず、人間とすること。
Q「自分に対する最高の褒め言葉は?」
「好き」。
Q「未来と過去、どちらかに行けるとしたら?」
未来です。ネタバレは全然気にしないので。
Q「仕事で心がけてることは?」
やり取りする相手との共通言語を探る、現場と自分を客観視する、できるだけ何事も等価交換。
Q「仲のいい声優さんは?」
村川梨衣さんとかです。
Q「自分だけの宝物は?」
身の回りの人たちと、自分の中にある知識。
彼女は理屈っぽくて言葉を尽くそうとする人な一方で、村川さんは言葉で説明なんて全然しない感覚の人。そんな二人がずっとずっと仲良しなことはやっぱり結構意外で、でもすごく素敵なことだなって思う。
客観的な言葉で作品や自身の演技を説明できるかって、ぼくはそんなに重要視してなくて、それは極論すれば評価する側がすればいい話。
卒業した二人組のピンクの人が明瞭に言葉で気持ちを伝える一方で黄色の人が全然できない姿を見たって、二人の演技の力の差なんて歴然としていて。
それとほぼ同じようにこの二人の力の差も歴然としている(とぼくは思ってる)。でも彼女は(なんとまだ驚くべきことに)23歳で、まだまだ未来は開けているのだ。ぼくは言葉で説明するのを重要視していないと書いたけど、好きかどうかは別の話で、そういう人はとても好きだ。
だから彼女がこれから先、素晴らしい演者になることをとても楽しみにしているし、言葉を聞くたびになってくれるんじゃないかなって期待してる。(別に今が悪いなんてこともなくて、でもどうせなら誰もに文句を言わせないくらいすごい人、見たいじゃないですか。そういうこと)
最後のメッセージは、うん、あやねるありがとねって思った。
最近考えてたことで、可愛さって何だろうというのがあって。ぼくはそれを理解する上で彼女(特定の人物ではない)の"誇り"と"愛"を知ることが大事なのかなと思ってきてる。可愛さって、見目そのものの美しさと、感情による細かな仕草や行動に分けることができると思う。前者は天性のものをベースに化粧とか服とか装飾品とかアーティフィシャルなものが加えられるものだけど、後者は心が表出されるもので、それって人が持ってる誇りとか愛が直接反映されるものじゃないですか。だからそれを彼女の色々な言葉だったり行動だったりとかから感じ取って、でもそれを個別のものとして散逸させずに、根元にあるものを理解できるようにしたいなと思った。そしたら"可愛い"に近づけるんじゃないかって思ったので。
そしてこの作品は、この作品がある理由が誇りある佐倉綾音の人への愛そのもので、
「私の人生の大切なものは、全てこの本の中に」
っていうのがめちゃくちゃ伝わってきた。
だってここには彼女がわざわざ手書きのメッセージで、声にお芝居に命をかける彼女の本質がこの一冊で変わることはないこと、カメラが苦手な彼女が劣等感を脱ぎ去って日々生きている姿を大切な人たちに残してみようかなと思ったこと、が書いてあるのだから。
最後に話がずれたけど。こんな感じのことを思った。おしまい。