mako2270’s diary

趣味は声優さんがお話するのを座って聴いたり眺めたりすることです

山崎エリイ SPECIAL LIVE ~夜明けのシンデレラ~ の感想

2018年は常々「挑戦」という言葉を使っていたエリイちゃん。

アニタイ、写真集、ナナシスアニサマ、そして2ndアルバム。様々な大小の挑戦を重ね、その集大成とも呼べるライブが12/23に開催された「SPECIAL LIVE ~夜明けのシンデレラ~」だったと思う。そんなライブの振り返り。

※本当は1ヵ月前くらいに振り返りたかったけどこんな時期になってしまった……

 

M01.a little little thing

9月末の初お披露目から3ヵ月の間歌い続けてきた「夜明けのシンデレラ」のリードソング。彼女の「挑戦」が詰まったこの楽曲は、彼女の普段のイメージとは異なる、よりポップでキュート、カラフルな作品となっている。

またこの曲は以前リリースした「十代交響曲」のアンサーソングとなっているが、今回のライブのセトリではそんな関連性よりも、このライブをリードする一曲として色が強かった。ナポレオンっぽいネイビーのドレスはPVのとにかくポップで可愛らしい姿よりボーイッシュで勇敢さが増していて、でもやっぱり「後ろはスワロウテイルにしてもらったんです!」と言ってたり、頭上の大きなリボンだったり、彼女の溢れんばかりの可愛いさはいつも通りだった。「世界中が祝福しているような空の青さに溶けそうだ」というフレーズがよく似合ってたなと思う。

(そういえば、十数回聴いてやっと間奏の彼女のウインクにドキッとしなくなったんだけどみなさんはどうなのだろう…)

 

M02.星の数じゃたりない

堂々の人気投票一位曲。今回はいつものスタンドマイクは無く、笑顔で楽しそうにステージを左右へ歌い回っていた。寂しさが残りながらも力強いロックチューンが前曲からその先の世界観への導入としてとても入り込みやすい曲順だったと思う。


M03.Steady

エリイちゃんが「ば~ん ♪」ってするやつ。後述のStarlightと合わせてとてもたくさんリリイベで歌い、雰囲気を作り上げてきた曲。曲調や彼女の歌いぶりはポップで可愛らしいが、歌詞そのものに着目するとかなり切ない想いなやつ。

 

M04.未完成のキャンバス

山崎エリイは可愛い。でもいつものそこにいるだけで可愛い彼女ではなく、この曲の彼女は慎ましやかながらもこちらへの好意を隠さない。恥ずかしがり屋で内向的、引っ込み思案な彼女がこちらを見ながら「どうか片想いの絵画に名前をつけてください恋人という名を」と歌いかけてくる体験は、誰もに体験してほしいなと思った。

 

MC

MCでは「リアルとファンタジーの間のような」「時にふわっと、時に鋭く」と彼女のステージを端的に表す言葉を示してくれて、なんとなく、彼女がこれから先も見せ続けてくれる根底のテーマになるような気がした。

 
M05.Zi-Gu-Za-Gu Emotions(昼) / ドーナツガール(夜)

ぼくはZi-Gu-Za-Gu Emotionsが好き。まさか歌うとは。いや歌ってほしかったけど。メタリックでありロボティックでもあり、デジタルなサウンドながら彼女らしいアナログが温かみが感じられるのが好きなのかも。間奏のエリイダンスが最高に好き。

このライブでは既存曲もマイナーアップデートしているという話をしていて、ドーナツガールもその一つ。振り付け変わっててめっちゃ可愛かった。

 

M06.My Twilight

ここからステージから陽が落ちていく。彼女が常々好きだと話す、80年代の香りが強く漂う楽曲。彼女はこのくらいの音域だとグッとカッコよくなる。

前に彼女に歌詞中に「サヨナラの勇気を」と「さよならの勇気を」の話をしたことがあって、これは勇気を見つけ、それを受け入れる曲だと思う、みたいな話をしたのを思い出した。


M07.Starlight

この曲は初のアニメタイアップということで、作詞家作曲家や自分を含めて作品を読み込んで寄せて作ったという話をリリイベでよくしていて、彼女に聞くと「歌ってるときはアニメの登場人物の心情を思い浮かべて歌っている」と "はじめは" 話していた。ただリリイベを重ねると「Starlight」そしてカップリングの「Steady」共に、彼女の歌唱は目に見えて変わり、歌っているときの表情が変わってきたと彼女に話すと「そうなの!笑顔が増えたってよく言われる!たぶんそれはリリイベでみんなの顔を近くで見ながら歌ってるから自然とそうなってるんだと思う!」と飛び跳ねそうなテンションで話してくれたのを覚えている。

でも時間をかけ、たくさんの人と心を通わせ育てたこの曲は、この日はいつになくとても悲しそうに歌っていたなと思った。天に掲げる御手とそれを見つめるまなざしが美しかった。

 

朗読

シンデレラの朝の歌詞に呼応するようなこんなお話をしていた。

「魔法が解けるのは、悲しいことじゃない。ドレスを着ていなくたって、ガラスのヒールじゃなくたって、私のままの私を、好きになってもらいたい。ガラスの靴で確かめなくたって、君だから好きだと言ってもらいたい」


M08.Flowery Dance

M09.cakes in the box

彼女自身が常々歌うことを熱望しているゴシック曲の2つ。ケープを被り "羽根ドレス" を身にまとい、不敵な笑みを浮かべながら歌い踊る姿は、前半の歌唱と比べるとひたすら妖艶だしクソエロいし、でも手が届かない全くのファンタジーの世界を見ている感じも強くて最高にカッコいい。

あとついにガーターリングが…(好き)

 

M10.十代交響曲

この曲はリードソング「a little little thing」の過去の曲とされており、"五線譜" "メロディ" "拍手" といった共通するワードが出てくる。このライブの冒頭で日常にある小さな小さな幸せをとびきりの笑顔で歌っていた彼女が、実はこの「十代交響曲」の頃に苦い思い出を抱いていて、それを経て、より強く、より優しく歌を歌えるようになったのだということを時間を逆転してここで感じ取ることができるセトリになっていたように思え、面白かった。

(あと、映像何回見ても間奏が長くなっている理由がわからない…)

 

M11.星屑のシャンデリア

久しぶりに聴いたやつ!めっちゃかっこいい! 率直に言うとたぶん「十代交響曲」は彼女にとって難易度が高い曲で、この曲はめちゃくちゃ歌いやすそうでいつも伸びやかに歌っている印象が強い。ぼくが "彼女の歌" を聴きたいときにまず第一に思い浮かぶこの曲が聴けて大変よかった。

この辺は真夜中を迷い進み、夢の中で星を見つけた、みたいなイメージ。


M12.Vivid my world

この曲はなんだろ…普通に良い曲だよね…あんまり言うことがない…

夜の部で "君の名は「Erii」" の時に終始クールだったエリイちゃんが笑顔になった時の表情が好き過ぎる。

しかしながら笑顔にあふれた前半と打って変わって、後半はここまで全く笑顔が無くて二面性が際立っているなと思った。

 

MC

FCイベロックハート城発表はクソ笑ったwww


M13.Dreamy Princess

「王子様を探しに行かなくちゃいけない」

ここかあ(ここで歌うのか!)となった。王子様に会いに行く→客席に行く、の流れが全てな気がする。あと「シンデレラの朝」の対の曲であるこの曲がここというのは始まりと終わりが隣り合わせみたいな感じでライブの前は始まりと終わりは最初と最後だろうとぼくは安易に考えていたのでなるほどなあってなった。


M14.シンデレラの朝 

この曲はぼくはなんとなく語るのが難しくて、王道のようで親しげなようだけど、どこか距離を感じるようなイメージがある。距離を感じるというのはとても良い意味で言っていて、だからこそ、この曲は素晴らしいのだと思う。なんというか、それが彼女らしくて、そしてこのライブではそのイメージがとても強まるような歌唱だと思った。

「幸せは一つじゃない。みんなの分もちゃんとあります」

と言えるのは、これは自分自身だけの話ではなく、みんなの話なのだというメッセージで、なんというか世界観の表現者だなと思った。

 

 

a little little thingに始まるまばゆく明るい真昼間から、黄昏のTwilightに向かい、夜に至る。そこから真夜中を越え、夢見るシンデレラは夜明けを迎える。そんな時間と心の流れを感じ取ることができ、彼女が表現したいものを存分に堪能できたステージだったと思う。

 

 

EN01.ラズベリー・パーク

待ってた。

10月の全曲視聴会で聴いた直後に彼女に「貴女がこの歌を歌ってくれてよかった」と伝えた、そんな一目惚れの楽曲。リリイベでも遂に歌われなかったこの曲は正にこの瞬間が初披露だった。

井上Dが全曲視聴会で「みんなで共有、体験をできる曲」「ある所からある所まで辿りつく。最後に辿りつく場所がラズベリー・パーク」と話していて、それは聴くだけでも十分に体験できるものだったが、ライブという表現でまた違った "体験" をさせてくれた。

アンコールが始まると彼女がステージの横からゆっくりと現れる。ここでまた新しい赤黒のチェックの衣装。頭には可愛い王冠。それはさながら「ラズベリー・パーク」の世界の案内人のようで、彼女もいつもの笑顔と異なり、不思議そうな神妙そうな表情を浮かべながら、ステージの世界を歩き、歌う。そして最後にベンチに辿り着く。リフレインされる彼女自身の歌を聴きながら、自分自身の歌に答えながら、自らに問いかけるような、そんな姿が印象的だった。

また、ステージに常に浮遊していたシャボン玉のような風船は、ライブを通して曲によって受ける印象が変わる存在だったが、リアルとファンタジーの境界線を一曲で表せるこの曲では、特別に浮遊感を与えてくれるファンタジーの意味合いを強めてくれる存在だったと思う。

この「夜明けのシンデレラ」という時間の流れと共に描かれていたステージの中に、一曲で強く時間の流れが描かれているこの曲は入れようはないと思ったし、この曲順はすごく聴きやすかった。

普通、アンコールはライブTシャツを着て歌うことがほとんどだが、ここではまた新たな衣装を着て歌う彼女から、この曲に懸ける思いを感じ取ることができた。

この曲自体の感想はまた別に書きたい(と思ってる)。好きなので。

 

MC

「諦められませんでした」がすべて。


EN02.Last Promise

なんかアニソンっぽいやつ。

 

EN03.全部キミのせいだ

ソロデビュー2周年記念イベントでこの曲に対する素晴らしいコメントがあったのを覚えてる。デビュー以来いつもどんなときも彼女が共に歌い続けてきた曲。やっぱり一番初めの曲は特別なんだなって思う。だから最後の最後はこの曲なんだろうとは思ってた。

練り歩きが好きという彼女はここでもまた客席へ。楽しそうだった。

(…昼公演真横に歩いてきたから手を差し出したけどカラーボールダメだった…)

 

おわりに

総じて彼女が表現者として現時点で持つものが詰め込まれた聴きごたえのあるライブだった。楽しかった。ここでまた井上Dが全曲視聴会で話していた言葉を借りる。

「この素晴らしい山崎エリイの世界を広げたい」

そんな言葉に見合うだけのものを成し遂げてくれて、彼女の2018年の「挑戦」が一つの作品となってくれて、とても嬉しかった。そして彼女の素晴らしい世界をもっと広げて、もっとたくさんの人に知ってもらいたいなと思った。

夜明けのシンデレラ【初回限定盤】

夜明けのシンデレラ【初回限定盤】

 

 

そんな彼女のライブは以下のリンクから見れます。(※今月中まで)

 

 

蛇足

シンデレラについてぼくは彼女にこんな問いをしていた。 

この後のなぜ違うの?というぼくの問いには、彼女は「いろいろあるの!」と答えた。

そして2018年、総まとめとしてこの質問をした。

ぼくが2018年に、彼女について知れたのはここまで。でもこの言葉でぼくは彼女をもっと先で見れると信じることができたし、このライブがあってそれを強めることができた。

2018年の2月のコンサートやいつかのリリイベで見れた、彼女がなりふり構わず思うがままに歌う姿を思い浮かべながら、それを今回のライブで綺麗に創り上げ歌う姿に重ねながら、2019年の彼女を思い描こうと思う。

 

彼女は「シンデレラの朝」 に最後に至ったわけじゃない。それは彼女の過去であり、それを越えてなお彼女はシンデレラであることを選んだのだとぼくは思っている。たとえ未来にまた朝を迎えるとしても、いまこの時は彼女はシンデレラ。

だってそうじゃないとお城で待ってるお姫様に会いに行けないしね。